中庭のある平屋に住む|間取りの種類と例やおしゃれで機能的にするコツ

中庭のある平屋に住む|間取りの種類と例やおしゃれで機能的にするコツ

フラットな平屋に住みたい。

でも日当たりも重視したい。そんな願いを叶えてくれるのが、「中庭」のある平屋です。

しかし中庭って実際はどうなのかな?と不安に感じる方も多い事でしょう。

そこでこの記事では中庭と平屋に注目し、まず中庭とはどういったものかをご説明するとともに平屋に中庭をつくるメリット、中庭をつくる場合の間取りの種類と実例、そしておしゃれで機能的に仕上げるコツについてご紹介したいと思います。

これから平屋をお考えの方や中庭をご検討中の方はぜひ、ご参考下さい。

中庭とは


中庭とは建物や壁などに囲まれた庭のことで、建物の中に取り込まれたように作られています。

中庭は世界の様々な地域で取り入れられており、地中海沿岸地域の住宅や、ラテンアメリカの住宅でも「パティオ」として一般的につくられています。

中でもスペインの「パティオ」は中庭庭園として有名です。

日本でも中庭は古くから取り入れられており、京都の町屋などにみられる「坪庭」も中庭のひとつです。

 

平屋に中庭をつくるメリット


平屋に中庭をつくることによって、他では得られないメリットがいくつかあります。

 

お部屋が明るくなる

平屋に中庭をつくる一番のメリットは、なんといってもお部屋が明るくなることです。

平屋はご存知の通り室内に階段がなく、バリアフリー性に優れた住宅です。

全てがワンフロアで完結するため家事動線もよく、家族とも程よい距離感が保てるのが魅力ですね。

反面、一般的な二階建て以上の家と比較して、日光を取り入れづらい箇所ができやすいというデメリットがあります。

このような点を解決してくれるのが中庭です。

中庭に面したお部屋にまんべんなく日光を取り込み、お部屋を明るくしてくれます。

中庭であれば、窓の方角を気にすることなく部屋に明るさを取り込めるのも嬉しい点です。

 

風通しがよくなる

通常は建物の1階部分よりも上階の方が風通しがよいものです。

平屋の場合は窓を開ければもちろん風が通りますが、2階部分と比較すると風通しが若干劣るケースも多くあります。

そんな時にも中庭が力を発揮します。

中庭に面した部屋の窓を開放すれば家全体を通じて風の通り道ができ、家中の風通しがよくなります。

風通しがよくなると夏場に涼しいだけでなく、家全体の空気が循環することで湿気対策にもつながります。

風向きが変わっても中庭であればどこからでも風を取り入れることができ、明るさと同様方角も問いません。

お掃除のときも空気の入れ替えが十分にできて気持ちがよいですね。

 

プライベートな屋外空間を持てる

中庭で意外と見落とされがちなメリットに、中庭がプライベート空間である点が挙げられます。

先述の通り、中庭は建物や壁に囲まれています。

つまり、中庭は家の外からの視線を遮ることができる空間なのです。

隣家などの外からの視線を遮りながら、実は室内からは出入りしやすく目が届きやすいという特徴があります。

そのためお子さまの遊び場や、洗濯物を干す場所としても最適です。

特に平屋の場合、二階建てと同じ床面積の家を建てるとなると、ある程度敷地の大きさが必要となります。

お庭をつくりたくても細長くなったり、方角や周囲の環境によっては人目に付きやすい場所しか選択肢がない場合もあるでしょう。

そんな時、家の中に中庭をつくればすべてのニーズを満たすことが可能です。

 

とにかくおしゃれ

中庭は、やはりおしゃれ。

例えば中庭に植栽を設けたならば、どの部屋からも緑の美しさや木漏れ日を感じる風景を見ることができます。

玄関からも通じるように中庭をつくれば、玄関を入ってすぐに屋外のような開放感と明るさ、そして空間の広がりを感じることができます。

テーブルなどの屋外ファニチャーを置いて、まるでカフェテラスのようにすることも可能です。

プライベートエリアなので人目を気にせず、自分たちの好みで自由に変化させることができるのも中庭の魅力ですね。

住む人のセンスがとても感じられる中庭は、このようなおしゃれさもメリットのひとつです。

 

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間取りの種類と実例


では平屋に中庭をつくる場合、どの様な間取りが考えられるのでしょうか。

平屋に中庭を取り入れる場合、大きく分けて二つの間取りの種類があります。

それぞれの特徴と実際の例を見てみましょう。

 

中庭にはコの字型とロの字型がある

平屋に中庭をつくる場合の間取りには、次の二つの種類があります。

コの字型 中庭の三方向が建物で囲まれた間取り
ロの字型 中庭の四方向が建物で囲まれた間取り

コの字型

コの字型の中庭は上記の通り、建物で中庭の三方向が囲まれている間取りです。

 ・中庭でありながら開放感がある

 ・敷地面積をそこまで必要としない

 ・設計の自由度がロの字型よりも高い

このような特徴があり、平屋に中庭をつくるときに比較的取り入れやすい間取りとなっています。

注意点としては一方向が開放されているため、中庭を配置する場所は周囲の環境等を考慮して考えるとよりプライベートな空間にすることができます。

ロの字型

ロの字型の中庭は、中庭の四方全てが建物で囲まれている間取りです。

 ・完全なプライベート空間をつくることができる

 ・デザイン性が高い

 ・カフェやモダン建築で人気が高い

このような特徴があり、近年人気も高くなっています。

注意点として中庭全体に言える事でもありますが、特にロの字型の中庭は雨水がたまりやすい形状の為、排水対策を排水対策を十分に取っておくと、雨量の多い季節や豪雨が発生しても安心して過ごすことができます。

 

コの字型の中庭の建築実例

ここでコの字型の中庭を取り入れた平屋の建築実例をご紹介します。

コの字型の中庭をウッドデッキでつなげており、どの部屋からも行き気がしやすい間取りとなっています。

また、日の傾きによって、どの部屋にもまんべんなく室内に光を取り込むことができています。

室内からの眺めた際には中庭の分だけ奥行きが出るため、実際の広さ以上に広く開放的な住空間となっています。

 

中庭をおしゃれで機能的にするコツ


ここまで中庭のご紹介とメリットを中心にお伝えしてきましたが、先にも少し触れたように、中庭をつくるにあたって排水面など気を付けたい点もあります。

せっかく中庭をつくるのであれば、あとで後悔したくありませんよね。

そこで最後に中庭をよりお洒落で機能的にするためのコツをご紹介したいと思います。

 

ウッドデッキで自由に往来

実例でご紹介した例のように、中庭をウッドデッキにすることで各部屋を自由に往来することができます。

中庭を全てウッドデッキにしておくと、屋外なのにまるで廊下やセカンドリビングのような感覚で使用することができます。

また、中庭全てをウッドデッキにするのではなく、縁側のように一部をウッドデッキにしてもよいでしょう。

その際はリビングと和室につながっている、などのように、複数の部屋から出られるような配置にすると便利です。

地面とウッドデッキを切り分けることで、植物を植えたりDIYをしたり、新たな用途も広がります。

 

芝生やシンボルツリーで緑をプラス

中庭に緑があると、雰囲気が一気に変わります。

一面を芝生にすれば、美しいグリーンを各部屋から眺めることができるでしょう。

また、中木程度の木をシンボルツリーとして植えるのもおすすめです。

ある程度高さがあると木漏れ日を感じることが出来たり、木陰でお茶やランチをしたりすることもできますね。

中庭のシンボルツリーでオススメな木はいくつかありますが、「オリーブ」や「シマトネリコ」は丈夫で育てやすく、樹形も美しいためとても人気があります。

シマトネリコは大きくなることもあるため、広さがあまりない場合は鉢植えの方がよいかもしれませんね。

また、和風のイメージが強い「イロハモミジ」も、和風以外のモダンな建物にとてもよく合います。

あまりに高く成長する木や枝葉が広く広がるタイプの木を植えると、中庭が狭くなったりお手入れが難しくなるので気をつけましょう。

 

生活動線を考える

平屋に中庭をつくると、場合によっては室内の生活動線が長くなってしまうことがあります。

特にキッチンとリビングダイニングの位置や、浴室・洗面室・洗濯物を干す場所など、水回りとそれに関連する場所は、動線を考えた配置の間取りにする必要があります。

中庭を抜ければ近い場所であっても、雨の日などはわざわざ中庭にでるのは面倒なものです。

天候に関わらず容易に移動できる生活動線を考えておくことで、中庭の良さを享受しながら生活もしやすい間取りとなります。

 

排水対策

中庭で一番気を付けたいのが水はけです。

水はけがよくないと、せっかく風通しの良さがメリットでもある中庭に湿気がこもりやすくなってしまいます。

先にも少し触れましたが、特にロの字型の中庭であれば雨水の排水対策は注意したいところです。

排水対策として、

・中庭に少し勾配をつけ雨水を集水枡に流しやすくしておく

・雨水の集水マスを大目に設置しておく

等のような方法を講じておくとよいでしょう。

 

まとめ

 

中庭のある平屋はおしゃれなだけでなく、明るく風通しのよい住空間を提供してくれます。

あらかじめ生活動線と排水対策を考えておけば、より快適に住まうことができます。

平屋をお考えの方は中庭もあわせてご検討されてみてはいかがでしょうか。

平屋の住みやすさを感じるとともに、中庭で過ごす楽しさや中庭を眺めながら至福のひと時を過ごすことができるでしょう。

 

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