こんにちは、設計の井原です。
自分の理想の間取り・設計にできる注文住宅は、昨今大変人気が高いですが、その分費用も高額になる傾向が強く、内訳も複雑になりがちです。
これから注文住宅を新築で建てようと考えている方は、一体どのようなことに、どれくらいの費用がかかるのかわからず、不安に感じている人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、注文住宅を建築する際にかかる費用内訳の一覧と、その割合をわかりやすく解説していきます。ぜひ、参考にしてください。
注文住宅の費用内訳は?
国土交通省によると、土地の購入を合わせた新築注文住宅の購入資金の総額は、全国平均で5,112万円、東京・名古屋・関西圏のいわゆる三大都市圏平均では6,315万円と言われています。
今回は、新築の注文住宅建築にかかる次の4つの費用がどういう役割を持ち、資金総額のどれくらいの割合を占めるのかを含め解説していきます。
- ▶︎土地購入費
- ▶︎本体工事費用
- ▶︎付帯工事費(別途工事費)
- ▶︎諸費用
目次
土地購入費
注文住宅を建てるにあたって、所有地がない場合はまず土地を購入するところから始めます。
土地の購入資金は、全国平均で全体の約34%、三大都市圏内では約40%を占めているため、金額としては全国平均で1,769万円、三大都市圏で2,541万円程度が相場です。
また、不動産会社を通じて土地を購入する場合、用意するのは土地代だけでなく、不動産会社への仲介手数料や印紙代、登録免許税が必要になります。加えて、土地の所有にあたっては、固定資産税や都市計画税などの税金も課されます。
したがって、住宅建築のための土地を購入する場合は、こうした費用も合わせてかかってくることを把握しておきましょう。
本体工事費用
本体工事費用とは、建物そのものの建築に必要な費用のことを指し、一般的に土地代を抜いた家づくりにかかる費用全体の約70%以上を占めると言われています。
本体工事費用に含まれる具体的な費用内訳は次の通りです。
- ▶︎仮設工事にかかる費用
- ▶︎基礎工事にかかる費用
- ▶︎木工事にかかる費用
- ▶︎内外装工事にかかる費用
- ▶︎エアコンなど設備設置にかかる費用
- ▶︎設計料
ただし、この中に庭や門、塀、駐車場など、建物の外回りの工事は含まれないため、注意しておきましょう。
付帯工事費(別途工事費)
付帯工事費(別途工事費)とは、建物以外の部分の工事にかかる費用で、総費用の15〜20%が目安と言われます。
先ほど、本体工事費から除外した庭や門、塀、駐車場などの建設費用がここに含まれ、他には次のような費用が該当します。
- ▶︎水道管やガス管を敷地内に引き込む工事費用
- ▶︎照明やエアコン、カーテンなどの購入・取り付け工事費用
- ▶︎古い家の解体費用
- ▶︎地盤調査費
- ▶︎地盤改良工事費 など
また、付帯工事費用は家を建てる土地の地盤の強さやインフラの状況などで大きく工事費用が変化することもあります。
ですので、費用がどれくらいになるのかは、見積もりの時点でしっかりと確認しておくことが大切です。
諸費用
諸費用とは、建物や建物まわりの建築工事以外にかかる費用のことです。多くの方が見逃しがちですが、住居を建築するにあたっては、実は工事費用以外にもさまざまなことにお金がかかるのです。
例えば、下記のような費用が諸経費に当たります。
- ▶︎不動産会社や工務店との工事請負契約にかかる手数料や印紙代
- ▶︎不動産取得・住宅ローンにかかる税金
- ▶︎住宅ローンを結ぶ際に発生する「融資事務手数料」
- ▶︎保証人の代わりに支払う「保証料」
- ▶︎各種保険料(火災保険・地震保険・団体信用生命保険料など)
- ▶︎地鎮祭や上棟式に伴う費用(神主さんへの謝礼(初穂料)、お供え物、棟梁・大工さんへのご祝儀や昼食代など)
- ▶︎家具や家電の購入費
- ▶︎引っ越し代
- ▶︎入居後のご近所への挨拶 など
こうした諸費用も、建築工事費用全体の10%程度かかると言われているため、あらかじめ余裕を持った予算を設定しておくことが大切でしょう。
注文住宅の費用を抑えるポイントは?
ここまで、注文住宅の土地購入を含めた建設費用とその内訳について解説してきました。
注文住宅は顧客の好きな間取り・デザインに設計できることから自由度の高い住宅ですが、土地の購入も含めて行うとなると大きな費用がかかります。
おそらく多くの方は、「なるべく費用を抑えて注文住宅を建てたい」と考えるでしょう。そこでここからは、注文住宅を建築する費用を抑えるポイントについて解説していきます。
ポイントは次の3つです。
- ▶︎土地にかける費用を減らす
- ▶︎建築費用を抑える
- ▶︎税金控除や補助金制度を利用する
土地にかける費用を減らす
注文住宅の建築費を抑えるには、土地にかける予算を減らすのが有効です。
例えば、主要な駅がある地域を避けてひとつ隣のエリアにしたり、駅から離れたエリアにすると、土地の価格が下がります。
また、あまり人気が高くない北向きの土地や少々形が変わった土地も、割安になる傾向が強いのでおすすめです。
ただし、こうした形が歪な土地は建築の際に間取りを組みにくかったり、生活するのに不便だったりするなどのデメリットもあります。
ですので、ハウスメーカーとしっかり話し合って、デメリットを補えるような設計にするようにしてください。
建築費用を抑える
建物自体にかける費用を抑えるのも、建築費削減につながります。
例えば、建物の広さ自体を縮小したり、延床面積を小さくしたりするだけでも、費用の節約効果があります。
また、廊下などのデッドスペースを削減することで、無駄をなくすのも有効と言えるでしょう。
加えて、家自体をシンプルなデザインにするのも効果的な方法です。
例えば、昨今流行りのモダンテイストな家は、外壁の凹凸や余計な装飾が少なく設計されていることが多いので、その分の費用削減効果が期待できます。
また、長期的に多くのコストがかかるオプションなども、できるだけ少なくすることによっても、費用を抑えることができます。
こうした点も踏まえて、ハウスメーカーとよく話し合って見積もりを作成すると良いでしょう。
税金控除や補助金制度を利用する
住宅を建築した際に利用できる税金控除や補助金制度を活用するのも、非常に有効な節約術の一つです。
多くの人には馴染みがないかもしれませんが、一定の要件に該当すれば、税制優遇や補助金・給付金など、さまざまな費用負担の削減につながる制度が利用できるのです。
また、自治体によっては、住居の新築にあたって助成金や補助金を支給している場合もあります。
最近では、省エネルギーやZEH住宅、耐震性能・断熱性能などに優れた住宅建設に支給される補助金などが話題です。
お住まいになる地域・自治体がこうした支援をしていれば、大きな費用の節約につながるので、詳しくは自治体や契約しているハウスメーカーに問い合わせると良いでしょう。
まとめ
今回は、注文住宅を建築する(土地代購入を含む)際にかかる費用の内訳と、建築費を抑えるためのポイントについて解説しました。
注文住宅は、自分の好きな間取り・デザイン・設計にすることができるため、自分の理想の家を建てることが可能になります。ですが、その反面建設には多くの費用がかかるため、資金計画は慎重に立てる必要があります。
現在、マイホームづくりをしようと考えている方は、ぜひ本記事を参考にして無理のない資金計画を立ててください。
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